文部科学広報 216号
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れらを「三つの方針」という。)の一体的な策定を義務付けています(平成28年3月に制度改正、平成29年4月に改正省令施行)。大学がどのような能力や適性等を有する学生を求めているか、どのように評価するのかという入口のアドミッション・ポリシーとともに、大学入学後、各大学が明確にした人材養成の目的に沿ったカリキュラム・ポリシー、そして、ディプロマ・ポリシーとして卒業時に学生が修得すべき知識・能力等の到達目標の質的転換を促進していくことが重要です。三つの方針は単に策定・公表するだけでなく、当該方針を踏まえたPDCAサイクルを適切に機能させるなど大学教育の質向上に係る取組を行うことが重要です。具体的な取組として、例えば、カリキュラムとカリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシーの一貫性を確認するためのカリキュラムチェックリストを作成しカリキュラムの見直しに活用したり、また、教育活動の改善等を目的として教育目標の達成について測定(アセスメント)を行うためのツールの開発・活用を行うなど、各大学で新たな実践が進められており、このような取組の更なる普及・充実が期待されます。②認証評価制度の改善 大学教育が新たな時代に向けて実効性をもって質的に転換していくためには、三つの方針や社会との関係も踏まえた各大学の教育への取組等についての新しい評価が必要であり、認証評価については、大学教育改革や大学入学者選抜改革、さらには、改革後の大学の教育研究機能の高度化に、より積極的な役割を果たすものとすることが重要です。こうした状況を踏まえ、三つの方針に関する評価や各大学の自律的な改革サイクルとしての内部質保証機能を重視した評価、また、ステークホルダー(高等学校関係者、企業関係者など)の視点を取り入れた評価など、高大接続改革を踏まえた評価項目・方法への転換について、認証評価に関する省令の改正を行い、平成30年度以降は新たな基準に基づく認証評価が行われる予定です。4大学入学者選抜改革〜実施方針等(平成29年7月)策定を踏まえ〜大学入学者選抜については、大学入学共通テストの導入と個別大学入学者選抜改革を通じて、受検生の「学力の3要素」について、多面的・総合的に評価する入学者選抜に転換することとしています。そのための基本的な内容を平成29年7月に策定・公表しました。ここでは、その「大学入学共通テスト実施方針」及び「平成33年大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告」のポイントを中心に説明いたします。◆受検生の「学力の3要素」について、多面的・総合的に評価する入試に転換  ①知識・技能 ②思考力・判断力・表現力 ③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度◆高大接続改革実行プラン、高大接続システム改革会議最終報告に沿って、大学入学者選抜の改革を着実に推進◆平成32年度「大学入学共通テスト」開始 ※記述式、英語4技能 平成36年度新学習指導要領を前提に更に改革〈現行〉【平成32年度〜】共通テスト択一式問題のみ記述式問題の導入○センターが作問、出題、採点する。採点には「民間事業者」を活用。○国語:80〜120字程度の問題を含め3問程度。 数学:数式・問題解決の方略などを問う問題3問程度。○平成36年度から地歴・公民分野や理科分野等でも記述式を導入する方向で検討。英語「読む」「聞く」のみ4技能評価へ転換○英語の外部検定試験を活用し、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を評価。○センターが、試験の内容と実施体制を評価し、入学者選抜に適した試験を認定。各大学の判断で活用(高3時の2回まで)。○共通テストの英語試験は、認定試験の実施・活用状況等を検証しつつ、平成35年度までは継続して実施。○各試験団体に、検定料の負担軽減方策を講じることを求めるとともに、各大学に、受検者の負担に配慮して、できるだけ多くの種類の認定試験の活用を求める。個別選抜学力の3要素が評価できていない入試早期合格による高校生の学習意欲低下新たなルールの設定○AO入試・推薦入試において、小論文、プレゼンテーション、教科・科目に係るテスト、共通テスト等のうち、いずれかの活用を必須化。○調査書の記載内容も改善。○出願時期をAO入試は8月以降から9月以降に変更。 合格発表時期をAO入試は11月以降、推薦入試は12月以降に設定(これまでルールなし)。平成29年7月13日公表資料より抜粋「三つのポリシー」に基づく大学教育改革の実現(イメージ案)大学入学者選抜改革三つのポリシー… 卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)、教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)、 入学者の受入れ方針(アドミッション・ポリシー)省令改正①全ての大学における三つのポリシーの策定・公表(学校教育法施行規則)三つのポリシーの策定及び運用に関するガイドライン(中央教育審議会大学分科会大学教育部会)情報の積極的な発信認証評価内部質保証を重視した評価への発展・移行省令改正②三つのポリシーに基づく大学教育に対する認証評価項目の追加(学校教育法第百十条第二項に規定する基準を適用するに際して必要な細目を定める省令)〈三つのポリシーの策定単位レベルの内部質保証のためのPDCAサイクル〉三つのポリシーの一体的な策定による、選抜、教育、卒業の各段階における目標の具体化自己点検・評価に基づく大学教育の改善・改革① ディプロマ・ポリシー大学の理念や社会の要請等を踏まえ、学生が身に付けるべき資質・能力の明確化②カリキュラム・ポリシーDPを踏まえた教育課程編成、教育内容・方法の明確化③アドミッション・ポリシー①、②の目標・内容を踏まえ、どのように入学者を受け入れるか、入学者に求める学力の明確化PlanAction三つのポリシーに照らした大学の取組の評価( の自己点検・評価)Check三つのポリシーに基づく、入学者選抜⬇体系的で組織的な教育の実施⬇卒業認定、学位授与DoDPACD個々の授業科目でも、教員によるPDCAサイクルが働くことが重要参考参考特集文部科学広報 No.216 平成29年11月号5

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